【店主インタビュー】ようすけで修行した麺処りょうや店主が語る佐野らーめんの魅力

栃木県佐野市には、全国でも珍しい「青竹手打ち麺」の文化があります。同じ「佐野らーめん」という名前でも、麺の形や食感、スープの味わいは店ごとに大きく異なります。
今回、佐野らーめんナビでは、ようすけで修行を積み独立した「麺処 りょうや」店主にインタビュー。らーめんの世界に入ったきっかけ、佐野らーめんとの出会い、修行時代に学んだこと、そして手打ち麺へのこだわりについてお話を伺いました。
今回の記事では、麺処りょうや店主が「ようすけ」で修行した経緯や独立のきっかけ、佐野らーめんへの想い、さらにらーめんに込めたこだわりについてお話を伺いました。
一杯のらーめんの裏側にある技術や考え方を知ると、佐野らーめんはもっと面白くなります。
ぜひ最後まで読んでみてください。
ようすけでの修行でらーめんの世界へ

Q.どのようなきっかけでようすけで修行することになったのでしょうか?
自分は群馬県の太田市出身なんですが、太田のあたりだと佐野らーめんのお店が結構あるんですよ。そんな中でも、小さい頃から名前を聞く佐野のお店はいくつかあって、森田屋さんとかおぐらやさんとか、そういったお店も知っていました。その中でも「ようすけ」は特に名前を聞く機会が多くて、自分の中でも印象に残っていたお店だったんです。
ちょうどそのタイミングで募集が出ていたこともあって、「せっかくなら挑戦してみよう」と思い、修行させていただくことになりました。
インタビュアー:塚原修行期間はどれくらいだったのでしょうか?
修行期間は3年ちょっとになります。
その間はらーめん作りの基本をしっかり学ばせていただきました。佐野らーめんはシンプルに見えるかもしれませんが、実際に作ってみると奥が深くて、細かい部分までこだわる必要があります。そういったことを現場で学べたのはとても大きかったと思っています。
ようすけ系らーめんとは?


佐野らーめんにはいくつかの系統がありますが、その中でも田村屋系は人気の高い系統のひとつです。手打ち感のある縮れ麺と、動物系の旨味を感じるスープが特徴とされています。また、その田村屋系の流れの中には「ようすけ」を中心とした系統もあり、多くの店主がそこで技術を学び、それぞれの店として独立しています。ただし同じ田村屋系であっても、麺やスープの表情は店ごとに異なります。「系統」を知ることで、佐野らーめんの食べ歩きはさらに面白くなります。
独立とお店を開いた経緯


Q.お店をオープンされたのはいつ頃になりますか?
今でだいたい1年半くらい前になります。修行を終えたあと、自分のお店としてらーめんを出していきたいと思い、独立することにしました。



立地がとても良いですよね
最初からこの場所に強いこだわりがあったわけではありませんでした。
自分はこれまで経営を経験してきたわけではないので、「まずはできる範囲の中でお店をやってみよう」という気持ちが強かったんです。
ちょうどこの場所が空いたという話があり、「どうだろう」という形で声をかけていただきました。選択肢も多くあったわけではなかったので、まずはここでやってみようと決めたという流れです。



実際に営業してみて、この場所の印象はいかがですか?
車通りが多い場所なので、認知してもらうという意味では良い立地だと思っています。お店を始めたばかりの頃は、まず知ってもらうことが大事だと思っていたので、その点ではこの場所で良かったと感じています。
佐野らーめんのイメージを守るらーめん作り


Q.らーめんを作るうえで、特に大事にしていることは何でしょうか?
自分の中での佐野らーめんのイメージは、やっぱり「あっさりしていて食べやすい」というところなんです。多くの人が思い浮かべる佐野らーめんの印象も、そういう部分だと思います。
最近はらーめんのジャンルも広がっていて、いわゆる「進化系」と言われるものもありますよね。自分のらーめんもそう言われることがあるんですが、味がどんどん濃くなっていく方向に寄せるというよりは、元々の佐野らーめんの良さは残していきたいと考えています。



伝統的な部分を大事にしているということですね。
そうですね。例えば、麺の縮れ具合などは昔からの特徴の一つですし、そういった部分は崩さないようにしています。佐野らーめんには長く愛されてきた形があるので、そこは大事にしていきたいですね。
らーめんのトッピングやサイドメニューのこだわり


Q.チャーシューが人気だと聞きますが、こだわりはありますか?
ありがたいことにチャーシューはよく褒めていただくことがあります。ただ、自分の中では「シンプル」というのをテーマにしています。派手な味付けというよりは、素材の味がしっかり感じられるようにしたいと思っています。



タレにはどのようなこだわりがありますか?
チャーシューのタレももちろん仕込みますが、使っている材料はとてもシンプルです。ニンニクやショウガなど、本当に基本的なものが中心ですね。余計なものを加えすぎないようにして、素材の味がしっかり伝わるようにしています。



チャーシュー丼も美味しそうですね。


チャーシュー丼は少し甘めの味付けにしています。ただ、ガツンとした濃い味というよりは、チャーシューそのものの味が感じられるようなバランスを意識しています。
味付け自体は、修行させていただいた「ようすけ」と同じですね。ただ、使っている肉はお店ごとに違うので、そのあたりがうちのお店としての特徴になると思います。



餃子もかなり大ぶりですよね。


そうですね。餃子はやっぱり佐野で提供する以上は、大きめにしています。餃子は、大きい方が皆さん喜ばれますし、ある程度の大きさは担保して提供しています。 中身に関しては、肉が6割ぐらいのちょっと肉多めのバランスを大切に作ってます。
佐野らーめんの魅力


Q.佐野らーめんの魅力はどんなところでしょうか?
やはり一番は、あっさりしていて食べやすいところだと思います。
昔からある形の良さというか、そういう部分が佐野らーめんの魅力だと思っています。
いろいろならーめんがありますが、佐野らーめんは飽きずに食べられるというか、何度でも食べたくなるような良さがありますよね。そういうらーめんを自分のお店でも出していけたらと思っています。
人気メニュー


Q. 一番人気は?
醤油らーめんですね。やっぱりまずはシンプルな一杯をこのお店に来ていただいたら、必ずは食べてほしいなって思います。


Q. 店主としておすすめの一杯はありますか?
おすすめの一杯として挙げるなら、「ガーリックバター醤油らーめん」ですね。実はこのメニュー、自分がもともと居酒屋をやりたいと思っていた頃の経験がきっかけになっているんです。当時はいろいろ料理の勉強をしていて、家でもよく料理を作っていました。居酒屋の料理って、パンチの効いた味のものが多いじゃないですか。ガーリックバター系の料理もその一つで、自分自身もそういう味が好きでよく作っていたんです。
「この味ってらーめんにも合うんじゃないかな」と思ったのが、このメニューを考えたきっかけでした。佐野らーめんは、あっさりしていて食べやすいのが魅力だと思っています。ただ、そのあっさりした味が好きな人が多い一方で、もう少しパンチのある味を求める方もいると思うんです。
そういう方にも楽しんでもらえる一杯があったらいいなと思い、ガーリックバター醤油らーめんをメニューに加えました。このお店ならではの一杯として、ぜひ食べてもらえたら嬉しいですね。


まとめ
今回のインタビューを通して感じたのは、佐野らーめんという一杯の中にある「守ること」の大切さです。らーめんの世界では新しい味や強いインパクトを求める流れもありますが、麺処りょうやの店主が大事にしているのは、佐野らーめんが本来持っている食べやすさやバランスでした。
店主は修行先である「ようすけ」でらーめん作りを学び、その経験を土台にしながらも、自分の店としての一杯を形にしています。ただし、そこで目指しているのは大きく形を変えることではなく、佐野らーめんの持つ「あっさりとした味わい」を守ることです。多くの人が思い浮かべる佐野らーめんのイメージを大切にしながら、その魅力を自分の店でも表現していきたいという思いが、インタビューの言葉の端々から伝わってきました。
また、チャーシューやチャーシュー丼といったメニューからも、その考え方が感じられます。味付けの材料はニンニクやショウガなど基本的なものを中心にし、できるだけシンプルに仕上げることで素材の味を活かす。派手さを加えるのではなく、らーめん全体のまとまりを大切にするという姿勢が印象的でした。



実際にお話を伺って感じたのは、32歳という若さながら落ち着きを感じられる店主のあたたかい人柄でした。話し方は穏やかですが、その中にはお店をより良くしていこうという熱い想いや前向きな姿勢も感じられました。若い店主ならではの行動力と、冷静に物事を考える落ち着きの両方を持っていることが印象的でした。らーめん作りやお店づくりに対して、これからさらに挑戦していこうという意欲が伝わってくるインタビューでした。
「佐野らーめんには長く愛されてきた形がある」
佐野らーめんには、昔から多くの人に親しまれてきた形があります。あっさりとしたスープと食べやすい麺、そのバランスの良さが、長く愛されてきた理由のひとつです。麺処りょうやのらーめんも、そうした佐野らーめんの魅力を大切にしながら提供されている一杯だと感じました。
まずは一度、そのらーめんを食べてみる。
そして、また別の佐野らーめんのお店にも足を運んでみる。
そうして食べ歩いてみることで、同じ佐野らーめんでもお店ごとの違いや個性が見えてくるはずです。その中で、麺処りょうやが大切にしている「あっさりとした食べやすさ」と「シンプルな味づくり」を、ぜひ実際の一杯で味わってみてください。佐野らーめんの魅力を改めて感じられる、そんな体験につながるかもしれません。










